スリランカのいち風景 - マンゴー 親戚の庭のマンゴーの樹 |
スリランカのいち風景 - マンゴー 親戚の庭のマンゴーの樹 |
空の青さをみつめていると
私に帰るところがあるような気がする
だが空を通つてきた明るさは
もはや空へは帰ってはゆかない
陽は絶えず豪華に捨てている
夜になつても私達は拾うのに忙しい
人はすべていやしい生れなので
樹のように豊かに休むことがない
窓があふれたものを切りとつている
私は宇宙以外の部屋を欲しない
そのため私は人と不和になる
在ることは空間や時間を傷つけることだ
そして痛みがむしろ私を責める
私が去ると私の健康が戻つてくるだろう
『六十二のソネット』 by 谷川俊太郎
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