12/31/2012

マンゴー

スリランカのいち風景 - マンゴー
親戚の庭のマンゴーの樹
スリランカのいち風景 - マンゴー
親戚の庭のマンゴーの樹


 空の青さをみつめていると
 私に帰るところがあるような気がする
 だが空を通つてきた明るさは
 もはや空へは帰ってはゆかない

 陽は絶えず豪華に捨てている
 夜になつても私達は拾うのに忙しい
 人はすべていやしい生れなので
 樹のように豊かに休むことがない

 窓があふれたものを切りとつている
 私は宇宙以外の部屋を欲しない
 そのため私は人と不和になる

 在ることは空間や時間を傷つけることだ
 そして痛みがむしろ私を責める
 私が去ると私の健康が戻つてくるだろう

 『六十二のソネット』 by 谷川俊太郎

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