直径45メートルの小惑星、16日未明に最接近
Ref.: Meteor shower in Russia
"2012 DA14"は彗星ではない。太陽の周りを円軌道で回る小惑星である。公転周期は368日。地球軌道は完全な円ではない。もっとも太陽に近づく近日点、もっとも太陽から遠ざかる遠日点がある。楕円なのだ。"2012 DA14"も同じように楕円軌道である。"2012 DA14"の遠日点距離は地球軌道と重なる。ほぼ数年に1回程度は地球に接近する。
"2012 DA14"は、2012年2月にスペインの天文台で発見されたばかりだ。気象衛星や通信衛星などが周回する静止軌道の高度約35,800キロの内側を通過する。NASAの軌道計算では、衝突しそうな人工衛星の確率は非常に低い。国際宇宙ステーション(ISS)は高度約400キロを周回しているので、影響はない。
GMT2013年2月15日19時25分(日本時間16日4時25分)、"2012 DA14"は、地球を回る月軌道の内側に入る。上図、緑の軌道は”Geosynchronous Ring”、つまり、地球に対する静止軌道である。月の軌道ではない。
地球への最接近距離は地球の表面から2万7700kmである。それは日本時間午前4時24分頃で、インドネシア・スマトラ島沖のインド洋上空を通過する。
太陽の周りを円軌道で回る小惑星で、"2012 DA14"程度の規模のものが月軌道の内側に入り込むのは、40年に1度程度の出来事である。
"2012 DA14"はこれ以降も地球に最接近する。今回の接近で地球からの重力ドライブがかかり、"2012 DA14"の軌道は変化する。そのため、公転周期は現在の368日から317日に変化すると予測されている。
これ以降は、2013年の最接近で軌道が変化するで、"2012 DA14"が実際にどのような軌道をとるかは、接近前での予測が難しい。
2012 DA14の直径は46m、質量は13万トンと推定されている。仮に衝突するとして、その影響は衝突する場所・地域によって異なるため、予測が難しい。
2110年2月16日には、100億分の1以下で衝突する可能性がある。仮に衝突したとすれば、衝突速度は12.72km/s、エネルギーは2.4メガトンになると推定されている。仮に衝突したとしても、衝突地点は南極地域であると推定され、海に落ちて津波が発生してもそれほど大きくはならないと考えられている。
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