1/17/2013

セミリンガル

バイリンガル(bilingual)はみなさん、ご存知の言葉でしょう。では、今日は新しい言葉で、モノリンガル(monolingual)。
え?これは類推出来るって?どうせ日本人が単言語しかできないからそれを揶揄し出すんだろうって?単言語しかできない日本人の事でしょう?そうでしょう?

その通り、しかし、日本人にかぎらず、アングロサクソン系のアメリカ人、イングリッシュ(イングランド人)はこのモノリンガル(monolingual)ですね。北京に代々住んでいる中国人もモノリンガル(monolingual)と言えば言える。
では、もう一つ。

セミリンガル(semilingual)

これはどうです?
ご存知ですか?
私だって専門家ではないので、ここはひとつ、wikipediaを参照しましょう。
一人の人間が多言語 (multilingual) であるのは、連続体を形成する程度に近い言語(方言・姉妹言語)間を除けば二種類だけでも困難であることがおおい。言語は子供のうちでないと習得が難しい(臨界期説)ため外国語の習得には若い方がよいという主張もあるが、定説には至っていない。また、幼すぎても母語の確立ができないというジレンマがある上、外国語を習得した人材が相次いで海外流出してしまうといった深刻な社会問題に発展する可能性も高い。
ある個人が多言語話者になる要因としては、個人的なものと社会的なものの2つがある。前者の例としては、日本のような圧倒的モノリンガル社会にやってきた移民や出稼ぎ労働者が当てはまる。後者の事例としては、スイスやベルギーなど複数の言語共同体が共存している場合である。しかし、こういった多言語状態を政府は嫌うのが常で、言語政策・言語計画の名の下に「標準語」の策定・普及を推し進め、方言・少数(移民)民族の言語を抑圧し排除されるケースが多々見られる。また、ドイツ語圏やアラビア語圏のように同言語の標準語(公共・教育など)と地方方言(日常生活など)に機能的優劣が付けられた社会も存在し、ダイグロシアと呼ばれる。
ちなみに、一言語のみ習得している者はモノリンガル(monolingual)、二言語の環境にいたものの母語と二言語目の両方において年齢に応じたレベルに達していない者はセミリンガル(semilingual)と呼ばれる。近年セミリンガルという言葉が否定的だという意見が増え、ダブル・リミテッド(double limited)という名称が広まりつつある。ダブル・リミテッドは、日本において帰国子女や日本に住む外国人児童の間に散見されるため、とくに教育関係者の懸案事項となっており、言語学や教育学の専門家による研究が広く行われている。言語獲得は環境および年齢差・個人差が大きい上に、日常会話能力(BICS)はバイリンガルであっても、抽象思考や学習のための言語能力(CALP)がダブル・リミテッドの状態にあり教科学習に支障をきたす者もいる。何をもってバイリンガル、何をもってダブル・リミテッドと判断するのかは未だ曖昧である。
ポイントを箇条書きにしますと、
  • 一人の人間が多言語 (multilingual) であるのは、2種類だけでも困難である
  • ある個人が多言語話者になる要因は、個人的なものと社会的なものの2つ
個人:日本のような圧倒的モノリンガル社会にやってきた移民や出稼ぎ労働者
社会:スイスやベルギーなど複数の言語共同体が共存している場合
  • 1言語のみ習得している者はモノリンガル(monolingual)
  • 2言語の環境にいたものの母語と第2言語目の両方において年齢に応じたレベルに達していない者はセミリンガル(semilingual)
  • セミリンガルという言葉が否定的だという意見が増え、ダブル・リミテッド(double limited)という名称が広まりつつある
↑どっちにしろ、同じ事。
  • ダブル・リミテッドは、日本において帰国子女や日本に住む外国人児童の間に散見される
  • 日常会話能力(BICS)はバイリンガルであっても、【抽象思考や学習のための言語能力(CALP)がダブル・リミテッドの状態】にあり、教科学習に支障をきたす者がいる
さあて、何を言おうとしているか、わかってきましたね?
ちなみにですな、ネットでも、「日常会話能力(BICS)は日本語という単言語」のモノリンガルだが、長文も読めず書けず、聞く話すだけで読み書きがダメな日本人も多く見受けられます。
こういった人間は、【抽象思考や学習のための言語能力(CALP)】が母語の日本語ですらダメですから、【ダブルリミテッド】どころか、

【シングルリミテッド】

になっています。恐ろしいことです。日本人なのにね。。。ニートなどの一部もそうなっている可能性があります。
ちょっとこの上のブログでもお読み下さい。
ということで、日系ブラジル人の子供の教育、学校に行かせればいいというものでもありません。ダブルリミテッド状態ですから。。。
それよりも恐ろしいのは、日本人の中に、シングルリミテッドも増えているということ。
<日系ブラジル人>就学期の子供700人が学校行けず、浜松
出稼ぎの日系ブラジル人が全国で最多の浜松市で、約700人もの外国人児童・生徒(6~15歳)が学校に通わず生活実態も不明なことが分かった。地元の日系ブラジル人の中には「『短期なので』と思い子供を(工場などで)働かせてしまう家もある」と話す人もいる。市内では6月に15歳未満の子供の年齢を偽り工場で働かせていたとみられる市内の企業を静岡県警が摘発しており、実態解明を求める声が上がっている。
浜松市国際課が05年に外国人家庭を戸別訪問して調べたデータと、今年春の外国人登録証で判明した就学年齢の子供の人数から分かった。同課によると当時、416人が未就学で、戸別訪問などで 129人は帰国を確認できたが、239人は所在すら不明だった。
一方、浜松市教委によると、今年4月末で外国人登録していた同年代の子供2923人のうち、市内の小中学校に通っていることを確認できたのは1558人だけだった。残りの約1400人については外国人学校に通うケースもあることから、05年の調査の割合から類推し、約700人が未就学と判断した。
日本では90年に日系人の在留資格が緩和され、来日日系人が急増。製造業が多い浜松市ではブラジル人を中心に、5月末現在で3万2668人が暮らす。市は外国人が多く住む地域で学校に通訳を配置しているが、住居や賃金で劣悪な労働環境にあるため、子供の教育まで余裕がない家庭が多いのが実態という。
県警浜松中央署は6月25日、無許可で人材派遣業を営んだとして、市内の通訳・翻訳会社の日系ブラジル人社長(54)を、労働者派遣法違反容疑で逮捕。労働基準法で雇用が禁じられている中学生以下の日系ブラジル人を工場に派遣した疑いでも追及するが、県警が外国人の子供の不法労働を摘発した例はこれまでほとんどなかった。
日系ブラジル人で、浜松市内のブラジル人学校の校長(53)は「子供が工場で働いていると聞くととても悲しい。子供に教育を受けさせるには、まず親の教育が必要」と指摘。日系ブラジル人2世で、浜松市東区のコンサルタント業の吉村州二(しゅうじ)さん(49)は「自分は17年前に来日し、息子と娘は公立中学に通わせたが、同郷の親の中には『言葉が通じないから』と言われてそのまま学校に行かなくても容認している人も多い」と話している。
◇まず親の雇用安定、日系ブラジル人のイシカワ・エウニセ・アケミ静岡文化芸術大准教授(社会学)の話「私も就学年齢なのに工場で働いている日系ブラジル人の子供を何人か知っている。外国人労働者を『短期労働者』としか見ない今の国の政策を変えるなど、彼らの雇用安定を図ることを真剣に考えなければ問題は解決しないだろう」

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